快適に暮らすための高断熱・高気密住宅とは?
写真②高気密高断熱の家.jpg 80.24 KB高断熱・高気密というのは、住宅の断熱性能が高い住宅のこと。ここからは高断熱・高気密とはそれぞれどのようなものかについて解説します。
高断熱とはなにか
高断熱の住宅は、断熱性能が高い家のこと。住宅における断熱性能とは、室内と室外との間で熱の移動を防ぎ、夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごすためのものです。断熱性の高い家を作るには、外壁、屋根、窓やドアなどの開口部は熱が伝わりにくい断熱性能が高いものを選び、建物外部と内部の境界には断熱材を切れ目なく施工しなければなりません。住宅の断熱性能は建物が損失する熱量を、外皮面積(屋根や外壁、基礎、窓・ドアの開口部などの建物外側の表面積)で割ったもので、外皮平均熱貫流率(UA値)と表されます。UA値が小さいほど断熱性は高くなります。R+houseの家づくりでは、国の省エネ基準やZEH基準を大きく上回る断熱性が標準仕様です。
高気密とはなにか
高気密の住宅とは、隙間が少なく、空気の出入りが少ない家を指します。気密性が低く、隙間が多い家では、室内の熱が隙間から逃げてしまい、冷暖房効率が悪くなります。住宅の気密性は、相当隙間面積と呼ばれ、家の隙間の合計面積(cm²)を延床面積(m²)で割ったC値で表します。C値は小さいほど気密性が高いといえます。
現行の省エネ基準にC値基準はありませんが、旧省エネ基準ではC値5.0が定められていました。R+houseの住宅では、かつての国の基準を大幅に上回るC値0.5程度を平均としています。
高気密の家は計画換気が重要
注文住宅における高断熱・高気密のメリット・デメリットとは
写真③メリットとデメリットを説明する若いビジネスマン.jpg 72.75 KBここからは高断熱・高気密の注文住宅のメリットやデメリットについて解説します。
【メリット】室温を一定に保ちやすい
高断熱・高気密の家は、魔法瓶のように隙間なく室内を密閉し、断熱層を設けることで室内の温度を一定に保ちやすい構造になっています。そのため部屋ごとの温度差があまりないため、家全体の室温を一定に保ちやすい特徴があります。冷暖房のある部屋から廊下に出ても温度差があまりありません。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる住宅なのです。
【メリット】光熱費の節約につながる
断熱性や気密性が低い住宅では、冷暖房で室内を快適にしても、外気の影響を受けて夏は暑く、冬は寒くなりやすいため、エアコンをフル稼働しなければならないのです。一方、高断熱・高気密の家は、外気温に左右されにくいため冷暖房の効きがよく、効率よく室内の温度を調整でき、エアコンの温度を極端に低くしたり、高くしたりする必要がなくなります。そのため光熱費があまりかからず節約につながります。
【メリット】ヒートショックを防ぐ効果が期待できる
室内の温度を一定に保ちやすい高断熱・高気密の住宅では、ヒートショックを防ぐ効果が期待できます。ヒートショックは部屋と部屋の寒暖差によって、血圧が上下し、血管や心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因となるものです。断熱性の低い住宅では、暖房のきいたリビングから寒い廊下を通り、寒い洗面脱衣室から温かい風呂に入る場合など、短期間に急激に血圧が上下してしまいます。断熱性が高い家は、こうした室温差が少なく、ヒートショックが起きにくいのです。
参考元:社会福祉法人 恩賜財団 済生会|冬場に多発! 温度差で起こるヒートショック
【メリット】家の寿命が延びる
気密性や断熱性が低い住宅では、室温や湿度が一定でないため、窓や壁に結露やカビが生じやすくなります。結露による水滴は壁体内やクロスを腐食させ、そこにカビが生じて住宅の劣化が進むのです。一方、
断熱性能や気密性が高く、計画換気によって充分な換気ができている住宅では、室温や湿度が一定に保たれやすく、結露やカビが生じにくい状態です。高断熱・高気密の住宅は、長く健康的に住める住宅と言えるでしょう。
参考元:東北電力|高断熱・高気密住宅の特徴
【メリット】防音効果も期待できる
高断熱・高気密の住宅は、防音効果も期待できます。断熱性の高い外壁や、壁体内の断熱材が防音材のような役目を果たし、室内の音を外に漏れにくくしてくれるのです。また、雨や車の音など、外からの騒音を軽減する効果も期待できます。生活音を防ぎながら、騒音対策がしたい方は、断熱性能の高い家を検討してみてください。
【デメリット】建築費用が高い傾向に
【デメリット】石油ストーブ使用は注意が必要
高断熱・高気密住宅で石油ストーブを使用したい場合は、注意が必要です。石油ストーブは、灯油を燃焼させて大量の水蒸気を発生させるため、壁や窓周りで結露が起きやすくなり、壁体内を劣化させる可能性があるのです。また、気密性の高い住宅では酸素が不足して、一酸化炭素中毒になる危険性があります。高断熱・高気密住宅では、エアコンや、配管から屋外へ排気できるFF式ストーブを使用するのがおすすめです。
断熱基準や地域区分を解説!
写真④断熱住宅.jpg 74.15 KBここからは国が定めた省エネ基準による断熱基準や地域区分、省エネ基準よりさらに高い断熱基準などについて解説します。
断熱性能の地域区分とは?
日本は南北に長い形状で、地域によって寒暖差が大きいです。そのため、
国は外気温の傾向や使用されている設備機器等の実態を踏まえた地域区分を定めており、区分に応じた断熱基準を設けています。地域区分は以下のような8つに分かれています。
現在の区分の地域例
・1地域 旭川市など
・2地域 札幌市など
・3地域 盛岡市など
・4地域 仙台市など
・5地域 宇都宮市など
・6地域 東京23区など
・7地域 長崎市など
・8地域 那覇市など
参考元:国土交通省|地域区分新旧表
断熱性能を定めた国の省エネ基準やZEH基準に加えて、民間の基準であるHEAT20とは?
写真⑤住宅の価値・評価.jpg 45.83 KB国では、新築住宅の住宅性能表示制度における、等級4の断熱性能を省エネ基準として定めています。東京での省エネ基準に適合した住宅を建てるにはUA値0.87を達成する必要があります。また、太陽光発電などの創エネと省エネを組み合わせたZEH住宅のための基準は、国の省エネ基準よりもさらに高い断熱性が必要です。東京ではUA値0.60となります。また、ZEH基準よりもさらに高い断熱性能を目指す民間基準HEAT20では、G1~G3のグレードに分かれています。例えば6地域の東京では、G1で0.56、G2で0.46、G3で0.26が基準です。地域区分に応じて求められる断熱性能は以下の通りです。また、地域区分は定期的に見直されています。
<地域区分・断熱基準に応じた断熱性能(UA値)>
断熱基準 |
1地域(旭川市など) |
2地域(札幌市など) |
3地域(盛岡市など) |
4地域(仙台市など) |
5地域(宇都宮市など) |
6地域(東京23区など) |
7地域(長崎市など) |
8地域(那覇市など) |
断熱等級4級(省エネ基準) |
0.46 |
0.46 |
0.56 |
0.75 |
0.87 |
0.87 |
0.87 |
- |
ZEH |
0.4 |
0.4 |
0.5 |
0.6 |
0.6 |
0.6 |
0.6 |
- |
HEAT20 (G1) |
0.34 |
0.34 |
0.38 |
0.46 |
0.48 |
0.56 |
0.56 |
- |
HEAT20 (G2) |
0.28 |
0.28 |
0.28 |
0.34 |
0.34 |
0.46 |
0.46 |
- |
HEAT20 (G3) |
0.2 |
0.2 |
0.2 |
0.23 |
0.23 |
0.26 |
0.26 |
- |
参考元:国土交通省|ラベル項目の解説 断熱性能参考元:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会|住宅シナリオと外皮性能水準
2025年4月からは住宅に求められる断熱性能が厳格化する
法改正により、2025年4月からはすべての住宅で断熱等性能等級4以上が義務化されます。今後の家づくりでは断熱等級4は最低基準となり、さらに2030年からは等級5が義務化予定です。断熱性能の向上は、国を挙げての取り組みとなっています。
参考元:国土交通省|家選びの基準変わります
高断熱・高気密の注文住宅はR+houseネットワークの工務店へ
写真⑥福岡県_観葉植物がある近代的なカットが印象的な大きな窓の家.jpg 247.2 KBR+houseネットワークの工務店では、国の省エネ基準やZEH基準を大きく超える高い断熱性に加え、C値0.5以下の気密性を平均としています。夏や冬も室温が安定していて、快適に暮らせる家を建ててみませんか?R+houseネットワークの工務店では、高断熱・高気密住宅のメリットがわかる家づくり勉強会なども定期的に開催しています。ご興味を持たれましたら、是非お気軽にご参加ください。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。
>>省エネで快適に暮らせる、R+houseネットワークの高性能住宅について詳しくはこちら