住宅の断熱性能はなぜ必要?
写真②エコロジーアイコン-min.jpg 79.31 KB 住宅の断熱性能はなぜ注目されているのでしょうか。まずは、住宅の断熱性能について確認していきましょう。
カーボンニュートラルに向け建築物省エネ法が強化
住宅の性能を評価する断熱等性能等級とは?
写真⑦静岡県_白と木目のキューブ型の家-min.jpg 481.21 KB 住宅の省エネ性能を測るひとつの指標となるのが断熱性能等級です。2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづき、住宅の性能を分かりやすく表示するための「住宅性能表示制度」が設けられました。この制度では、新築住宅を10分野33項目で評価。評価項目のひとつとして設けられているのが、断熱等性能等級です。断熱等性能等級は、壁や窓といった外皮からの熱損失をどれほど防げるかを評価し、1~7の等級で表示します。
断熱等性能等級を決めるUA値
主な断熱基準
写真③ZEHの積み木と家-min.jpg 79.41 KB 住宅性能表示制度の断熱等性能等級以外にも、住宅の断熱性能を表す基準は主に3つあります。基準が低い順に、特徴を確認していきましょう。
省エネ基準
省エネ基準とは2015年に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に明記されている建築物エネルギー消費性能基準のことです。省エネ基準に沿った住宅か判断するために、空調や照明などによる一次エネルギー消費量と外皮の断熱性能を表すUA値、室内への日差しの入りやすさを表すηAC値の基準が定められています。省エネ基準における地域区分ごとのUA値・ηAC値は以下のようになっています。
【省エネ基準における基準値】
ZEH基準
ZEH(ゼッチ)とはNet Zero Energy Houseの略で、住宅で使用するエネルギーの消費量を減らしながら、太陽光発電などで創出したエネルギーを使用することによって、家庭内のエネルギー収支ゼロを目指した住宅です。ZEH住宅は、満たすべき基準が4つあります。まずは、強化外皮基準。基準となるUA値は以下の通りです。
【ZEH基準における強化外皮基準値】
HEAT20基準
HEAT20とは、環境負荷が少なく安心安全で高品質な住宅の実現のために、調査研究や技術開発を行う「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称です。このHEAT20では地域区分ごとに、室温や省エネルギーといったシナリオを規定しています。このようなシナリオを満たす住宅を目指す目安としてG1~G3のグレード別に以下のような住宅外皮水準を定めています。
【HEAT20基準における基準値】
地域区分1 地域区分2 地域区分3 地域区分4 地域区分5 地域区分6 地域区分7 地域区分8 G1 UA値 0.34 0.34 0.38 0.46 0.48 0.56 0.56 - G2 UA値 0.28 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46 - G3 UA値 0.2 0.2 0.2 0.23 0.23 0.26 0.26 -
省エネ基準ごとにみるメリット
写真④省エネのエコハウス(エネルギーゼロハウス)の性能評価-min.jpg 70.62 KB 断熱性を重視した省エネ住宅には、どのようなメリットがあるのでしょうか。経済産業省や国土交通省、環境省の協賛により発行された「なるほど省エネ住宅」よりメリットを確認していきましょう。
参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅 」
光熱費を節約できる
断熱性に優れ省エネ性能が高い家はエネルギー消費量が抑えられるため、光熱費の削減が可能です。省エネ基準を満たしていない従来の住宅と、省エネ基準を満たす住宅、ZEH基準の水準の住宅の3つで光熱費を比較してシミュレーションしたところ、以下のような結果となっています。
【住宅別にみる年間光熱費】
従来の住宅 省エネ基準の住宅 ZEH基準の水準の住宅 寒冷地の場合(地域区分2) 393,191円 333,174円 208,323円 温暖地の場合(地域区分6) 283,325円 222,317円 159,362円
省エネ基準を満たした住宅と従来の住宅と比べると、その差は約60,000円。ZEH基準の水準の住宅と従来の住宅を比べると、寒冷地の場合は150,000円以上も光熱費を抑えられるという比較結果でした。このように、省エネ性能を高めることによって光熱費の大幅な節約につながるのです。
1年中快適に過ごせる
断熱性能が高い家は、室温が外気温に影響されにくくなります。人は壁や床、天井の表面からの輻射熱を感じとります。そのため、壁や床などの表面温度が外気温に影響されていると、体感温度にも影響が出てきます。 たとえば、外気温が0℃の冬場であれば、断熱性能の低い家の輻射温度は平均10℃。それに対して断熱性能の高い家は平均18℃の輻射温度になります。この輻射温度の違いによって、室温が20℃であることは同じでも、断熱性能が低い家は体感温度が15℃になるのに対して断熱性能の高い家は体感温度が19℃と、4℃もの違いが生まれるのです。壁や床が外気温に左右されにくくなればなるほど、快適な室温で過ごしやすくなると言えるでしょう。
家族の健康も守る
住宅の断熱性能は住む人の健康にも大きな影響を与えます。国土交通省の「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」に関する資料では、省エネ性能の高い家は室内の温度差が少なく快適な温度が保たれるため、住む人の血圧が低下傾向にあるという知見もあります。特に、部屋ごとの温度変化が少ないため、冬のヒートショックといった入浴時の事故のリスクも低くなるのです。
また、各種疾患と住宅の断熱性能との関係性をみてみると、低断熱の家から高断熱の家に転居することで気管支疾患やアレルギーなどさまざまな疾患が改善したという結果も得られています。住宅の断熱性能を高めると、結露が発生しにくくなるため、アレルギーや感染症の原因にもなるカビやダニも発生しにくくなるのです。
参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅」 参考元:国土交通省「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 概要」
省エネ基準ごとにみるデメリット
写真⑤貯金箱-min.jpg 68.09 KB 省エネ性能の高い家は良いことばかりのようにも思えますが、難点も少なからずあります。ここからは、省エネ基準の高い家にみるデメリットをチェックしていきましょう。
建築コストが高くなる
断熱性能の高い注文住宅はR+houseネットワークの工務店にお任せください
写真⑥和歌山県_椅子のアクセントカラーが映える白と木目のダイニングキッチンと階段-min.jpg 96.26 KB デザイン性と機能性を兼ね備えた注文住宅を得意とするR+houseでは、断熱性能にも徹底的にこだわっています。R+houseでは省エネ基準であるUA値を大幅に上回り、HEAT20のG2グレードが標準仕様となっています。マイホームを検討中の方は高断熱を実現できるR+houseネットワークの工務店にぜひご相談ください。
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