そもそもワークスペースと書斎は何が違う?
ワークスペースと書斎の明確な違いはありませんが、若干ニュアンスが異なります。
ワークスペースはリビングやダイニングなどに作られた場所を指すのに対して、専用の一室を設けた場合は書斎と呼ばれる傾向です。個人的な趣味や勉強・仕事に集中するための書斎よりも、ワークスペースのほうがオープンなイメージがあり、特定の1人だけではなくフレキシブルに使えるスペースとも言えます。
書斎を設けようとすると、机や椅子を設置できるほどの広さが必要です。充分な広さが確保できないからと、設けることをあきらめる方もいるかもしれません。しかし、ワークスペースであれば1畳ほどの広さでもカウンターを設置して仕事をするスペースを設けることができるのです。
ワークスペースのある間取りのメリット・デメリット
それでは、ワークスペースを取り入れるメリットやデメリットは、どのようなところにあるのでしょうか。それぞれ確認していきましょう。
ワークスペースのある間取りにするメリット
ワークスペースのメリットは以下のような点にあります。
● 仕事や趣味に集中して取り組める環境が手に入る
● 作業内容に合ったワークスペースなら作業効率がアップする
● 仕事関連のアイテムや書類をまとめて整理しやすい
● オープンスペースであれば家族の様子を見ながら作業できる
● 個室でなければ冷暖房は不要
ワークスペースを取り入れることで作業に集中でき効率アップが期待できるでしょう。また、オープンスペースであれば、作業中も家族の様子を見ることができますし、冷暖房を新たに設置することなく室温調整ができるのも魅力です。
ワークスペースのある間取りにするデメリット
メリットの多いように感じる自宅のワークスペースですが、以下のようなデメリットも挙げられます。
● デザインや広さ、設置場所によっては費用負担が増える
● ワークスペースを設けるためのスペースが必要になる
● オープンスペースは人によっては仕事に集中しにくい
● どんなシーンで使うかをイメージせずに作ると使用しなくなる可能性がある
オープンになっているワークスペースは、家族とのつながりを感じながら仕事ができる一方で、仕事とプライベートのメリハリがつけにくいというデメリットも。個室に比べると、家族の空間が近くにあるため、人によっては仕事に集中しにくいことがあるかもしれません。また、どんなシーンで使うかをより具体的にイメージせずにワークスペースをつくると、実際に使ったときに使い勝手が悪く、せっかくつくったのに使わなくなってしまうということも考えられます。
自宅のワークスペースを集中できる環境にするポイント
せっかくワークスペースを設けても、そこで集中できないのでは意味がありません。ここからはリモートワークでも集中して仕事ができるような、仕事がはかどるワークスペースづくりのポイントをご紹介していきます。
作業中の視界を意識した間取りにする
自宅にちょっとしたカウンターを設ければ、ワークスペースとして使えますが、プライベートで使っている自宅だからこそ、仕事には関係のないものであふれています。たとえば、娯楽用品やテレビなどが仕事中に目に入れば、集中力を切らしてしまうでしょう。また、部屋全体が見渡せても、仕事中に片付けをしたくなってしまう、なんてこともあるかもしれません。
そのため、自宅にワークスペースを設けるときには、仕事中の視界を意識しておくと良いでしょう。間取りの都合上、どうしても視界に入ってしまう場合はロールスクリーンなどを使って隠す工夫をするのがおすすめです。
圧迫感を感じにくい工夫をする
視界に気になるものを入れない間取りにするなら、カウンターや机を壁で囲ってしまえば良いと考える方もいるかもしれません。もちろん、壁で机を囲まれた環境が集中できるという方もいるでしょう。しかし、人によっては圧迫感を感じて、かえって集中できなくなってしまうこともあります。
そのため、壁に向かって机やカウンターを配置する場合は、圧迫感を感じにくい充分な奥行きをとるように設計すると良いでしょう。採光や換気に必要な窓に近い場所にワークスペースを設けると、開放感があるだけではなく、外の景色が見えるのでリラックス効果も高まります。
仕事用に使える収納があると便利
仕事用の参考資料や本など、仕事に使うアイテムに合わせてキャビネットや棚など、収納を設けると便利です。
また、パソコンを使って作業する方はプリンターや外付けハードディスクなど、周辺機器をまとめてすっきりさせたいという方も多いでしょう。とりわけ、パソコンや関連機器の配線は、ワークスペースが雑多に見える原因になります。パソコンを使って仕事をする場合は、コンセントの位置や配線の収納方法も考えておきましょう。
照明の色は白っぽい色に
人は本来、日の出とともに起きて活動を始め、日が沈めば活動をやめて眠るという1日のサイクルのもと生活していました。そのため、光の量や色を上手に活用すると、集中力を高めたり、リラックスしやすくしたりと、住環境をコントロールできるのです。仕事をするワークスペースであれば、集中力の高まる白色や青みがかった白っぽい色合いの照明がおすすめ。
また、集中しやすい明るさは作業内容によって異なります。机の上であれば最低でも300ルクス以上。パソコンを使う作業であれば300ルクスから500ルクスほど、細かな作業をするのであれば750ルクスから2,000ルクスほどを目安にしておくと良いといわれています。照明にもこだわりたいという方は、住宅会社や建築士に相談してみましょう。
机と椅子は差を意識して選ぶ
職場でも自宅でも、デスクワークの悩みの種は腰痛や肩こりです
。仕事中に正しい姿勢が保てるかどうかで、不調の出やすさにかかわるため、作業する机と椅子が重要になります。正しい姿勢を保つためにポイントとなるのが、机の天板と椅子の座面の高さとの距離を表す「差尺」です。
体格によって差尺は異なりますが、一般的には28cmから30cmほどが適切だと言われています。一般社団法人日本オフィス家具協会によると、椅子の適切な高さは以下の計算式で求められます。
● 座面の高さ目安=身長×1/4
● 差尺=身長×1/6
● デスクの高さ目安=座面高+差尺
ワークスペースに設置する机やカウンター、椅子の高さを選ぶときには意識しておくと良いでしょう。
参考元:JOIFA 日本オフィス家具協会|安心・安全なイスの選び方
仕事しやすいワークスペースがある注文住宅の施工事例
それでは、ここからはR+houseネットワークの工務店が手がけた、ワークスペースのある注文住宅の事例をご紹介します。
1階から2階まで伸びる印象的な本棚を活用したワークスペース
2階にあるワークスペースの本棚は、実は1階のリビングから階段脇を抜けて2階まで続くユニークなデザインとなっています。カウンターは椅子を囲うように設けているため、使いやすさの幅も広がります。正面には窓も確保して換気や採光だけでなく作業する人の視界も意識。壁面は有孔ボードになっているので、壁面収納も可能です。
>>施工事例:石川県金沢市「バルコニーが建物に個性的な魅力を添える家」
リビングを見渡せるスキップフロアにあるワークスペース
スキップフロアに設けられたワークスペースはリビングを見渡せる、家族に気を配りながら仕事ができるパブリックスタイル。掘りごたつ式になっているので、ワークスペースに椅子を置く必要がなく、上り下りの邪魔になりません。座面は畳になっているので和モダンなテイストを楽しめます。
>>施工事例:三重県多気郡「パブリックなスキップフロアのある家」
ちょっとした空間を有効活用したワークスペース
階段の踊り場にある空間を活用したワークスペースは、1階・2階どちらからでも使いやすく、デザインのアクセントになっています。大きな窓が設けられているので、明るい光が降り注ぐ心地よい空間に。もちろん、夜に作業することも考慮してデスクを照らすためのライトも設置されています。
>>施工事例:徳島県徳島市「夢が散りばめられた “自由なお家”」
自由なワークスペースのある注文住宅ならR+houseネットワークの工務店へ
ワークスペースが自宅にあれば、リモートワークでも集中しやすい環境が手に入るので快適です。
ただし、どんなシーンで使うかをイメージせずにワークスペースをつくっても、使わなくなってしまう可能性もあるため、充分考慮しながら間取りやレイアウトを決めなくてはなりません。R+houseネットワークの工務店では、経験豊富な建築家がデザインしているため、自由度の高いワークスペースが実現できます。お客様の普段の生活をヒアリングすることで、生活スタイルや重視していることを採り入れた、使い勝手の良い家が建てられるのです。快適なワークスペースのある注文住宅を検討中の方は、R+houseネットワークの工務店までお気軽にご相談ください。
>>R+houseネットワークの工務店が手がけた、おしゃれで使いやすいワークスペースのある注文住宅の施工事例はこちら