注文住宅にはどんな間取りがある?
まずは注文住宅の間取りにはどんな種類があるかについて知識を深めていきましょう。注文住宅の間取りには、大きく分けて2つの種類があります。
部屋同士を廊下でつなげる「ぶどう型」
たくさんの部屋を設けて廊下でつなげる間取りを「ぶどう型」と呼びます。廊下を枝、部屋を実に見立てた考え方です。リビング、和室、ダイニング、キッチンと、部屋が目的ごとに分けられているのが特徴です。昭和の時代を描いたアニメに出てくる間取りをイメージしてみるとわかりやすいでしょう。
大きな空間を間仕切る「りんご型」
対して「りんご型」の間取りは、リビングやダイニング、キッチンをひとつながりの空間とするのが特徴です。間仕切り壁を上手に使ってスペースを区切り、広々とした居室空間をつくります。和室の引き戸を開け放てば部屋がつながる、子ども部屋の間仕切りは可動式で2つの部屋を1つにできるなど、自由度の高い間取りが特徴です。
おすすめは「りんご型」の間取り
ひと昔前の日本では、りんご型の間取りにしてしまうと冬はなかなか部屋が暖まりにくかったため、ぶどう型の間取りにして1部屋に集まってそこだけを暖めるのが主流でした。近年では住宅性能が大きく上がったことや、家族が過ごすリビングを重視するようになったことから、りんご型の間取りを採用する人が増えています。空間を無駄にすることなく、ライフスタイルにあわせてスペースの変更がしやすいりんご型の間取りは、現代のニーズにマッチしているのです。
注文住宅でりんご型の間取りにするメリット
自由度が高く開放的なりんご型の間取りには、大きく分けて3つのメリットがあります。
居室空間が大きく感じる
廊下を設けないことで、ぶどう型と同じ床面積でも広がりを感じられます。無駄な部分が少ない分、延べ床面積が小さい家でも、実際の坪数より広く感じる空間を生み出せるのがメリットです。
自由に空間を使い分けられる
また、りんご型の間取りでは間仕切りを取り去ればひとつながりになるという点から、自由に空間を使い分けられるということもメリットとして挙げられます。子どもが独り立ちすれば部屋をつなげてセカンドリビングへといったように、将来的に空き部屋をつくらずに済み、ライフスタイルの変化に合わせて部屋の使い方を変えられるのは大きなメリットです。
家族でコミュニケーションを取りやすい
リンゴ型の間取りでは、家族でコミュニケーションを取りやすくなるというのも魅力です。リビング階段を設けた場合にはリビングを通らなければ上階へ上がれないため、家族が顔を合わせる機会が増えたり、キッチンで家事をしていても家族の顔が見えたりと、家族が同じ空間で過ごしている感覚を得やすい間取りとなっています。
注文住宅でりんご型の間取りを採用するときの注意点
メリットがたくさんあるりんご型の間取りですが、注文住宅で採用するなら注意しておきたい点もいくつかあります。
デメリットは「住宅性能」が低下しやすいこと
りんご型の間取りにおける最大のデメリットは、住宅性能が低下しやすいことです。住宅性能とは、断熱性や気密性、耐震性など家が持つ基本的な性能を指します。快適な生活を送るうえで大切な住宅性能ですが、従来のように住宅性能の低い状態でりんご型の間取りを採用してしまうと、冷暖房の効率が悪くなり夏は暑く冬寒い状態になってしまいます。せっかくつくったマイホームも居心地が悪いものとなってしまうため、りんご型の間取りにするなら住宅性能を上げることが重要となります。
効率よく温度調整ができる「断熱性」
注文住宅でりんご型の間取りを採用するなら、まずは断熱性を高めましょう。
断熱性とは、熱が家の内外に移動することを少なくする性能のことを指します。家の中の温度は、窓や壁からの熱の出入りも影響します。断熱性が高ければ、効率よく部屋の温度を調節できるのです。
日本は国が定めた地域区分によって基準とされる断熱性能が違うため、断熱性について考える際にはその土地の地域区分を知っておく必要があります。性能を示すのはUA値(外皮平均熱貫流率)で、値が小さくなるほど断熱の性能は高くなります。
参考元:資源エネルギー庁「省エネ住宅」
快適な温度の空気が逃げにくくする「気密性」
断熱性とともに忘れてはいけないのが気密性です。
気密性とは、建物内の空気移動を少なくする性質のことを指します。高い断熱性で快適にした空気は、隙間がなければ移動することが少なくなり、さらに効率的に部屋の温度を調節できます。
さらに、気密性を上げることには断熱性の劣化や家の結露を防ぐという効果、換気を効率よく行うという効果もあります。断熱性と気密性は、セットで欠かせない要素なのです。
統一感だけでなく内装の性能にも配慮を
おしゃれな家にするために、空間内の統一感を大切にしたいという人も多いでしょう。りんご型の間取りを採用する場合、見落としがちなのが内装の性能です。
リビングとひとつながりのキッチンを実現するため、床材をリビングと同じフローリングにする場合は、防水性や防汚性があるかを確認して採用するようにしましょう。
最近ではこうしたことを考え、水まわりに使用しても問題ない、水や油に強いフローリング材も開発されています。ひとつながりの空間にできるりんご型の間取りだからこそ、キッチンや和室などの内装には注意を向けておきましょう。
注文住宅を設計するうえで気を付けたい間取りのポイント
注文住宅の間取りを決めるうえで、間取りの種類に関わらず気を付けておきたいポイントもあります。併せて確認しておきましょう。
家事動線を意識して生活しやすく
生活の中で、家事がしやすいように家事動線を確保することも忘れてはいけないポイントです。
りんご型の間取りでは、廊下をなくすなどして空間を大きく取るのが特徴です。一方で、部屋の間取りによっては汚れた体をそのままにリビングを通らないと脱衣所へ行けない、キッチンとランドリールームが遠くなったため家事がしにくいなどがあると、実際に生活が始まると後悔してしまうことになりかねません。家事動線を意識したうえで、空間を広く見せるアイデアはたくさんありますので、部屋の配置については慎重に考えましょう。
生活音は意外とストレス
間取りを考えるうえで生活音は関係ないと思いがちですが、実は重要なポイントです。
リビングを吹き抜けにしたせいで1階のテレビ音が2階の寝室まで聞こえてくると、せっかく開放感を意識しても、ストレスの方が大きくなることがあります。りんご型の間取りに限らず、注文住宅で間取りを考える際には、生活音がどう響くかという点にも注目して設計しましょう。
家具や家電の配置もイメージ
家具や家電の配置をイメージしておかなければ、生活し始めて不要な出費や作業が必要になる原因にもなります。
空間の広がりや部屋の配置を考えすぎて、後からコンセントが足りなくなったり、収納がないため物が入りきらなかったりすると、新しく延長コードや収納棚の購入が必要になります。場合によっては、収納は上階にしか設けられないということになりかねません。無駄な出費や作業を減らすためにも、改めて手持ちの家具・家電の配置や、収納が足りるかどうかも確認しながら部屋の配置を考えましょう。
メリットの多いりんご型の間取りの注文住宅ならR+houseネットワークの工務店にお任せください
注文住宅の間取りで人気のりんご型の間取りについて、メリット・デメリットや間取りを採用する際の注意点などをご紹介しました。R+houseは、断熱性・気密性・耐震性にこだわった住宅を手掛けています。住宅性能にこだわるとコストがかかりがちですが、当社では部材の仕入れ方法など、さまざまな独自ルールを設けているため、高性能住宅をお客様の手の届く価格で施工できる仕組みをつくっています。理想のりんご型の間取りを実現するなら、高性能な住宅を手軽に感じられる価格で提供するR+houseネットワークの工務店へ、お気軽にご相談ください。
>>ライフスタイルに合った間取りを建築家が設計する注文住宅「R+house」についてはこちら