注文住宅の維持費相場は?
一戸建て注文住宅の維持費は、年間約40万円が目安となります。20年間で800万円、30年間で1,200万円のランニングコストがかかる計算です。内訳は、税金や修繕費、保険など。注文住宅を建てる際は、建物を維持していくためのコストもしっかりと把握しておく必要があります。
注文住宅にかかる水道・光熱費
生活するうえで必ず発生するのが光熱費です。総務省が発表している「家計調査報告(2023年)」によると、2人以上の世帯で発生する水道・光熱費の月額平均は、23,855円。年間でおよそ28.6万円かかる計算になります。
【大阪府】季節で見る水道・光熱費
水道・光熱費は季節によって大きく変動します。一般的に、外気温と室温との差が大きくなる冬は光熱費が高くなる傾向に。総務省統計局が実施している家計調査から、2人以上の世帯における水道・光熱費を見てみましょう。2023年12月~2024年2月と、2024年6~8月の期間で、全国平均と大阪市とのデータを比較しました。
| 冬(12~2月)/月 | 夏(6~8月)/月 |
全国平均 | 約2.5万円 | 約1.9万円 |
大阪市 | 約2.2万円 | 約1.7万円 |
大阪府は、近畿地方のなかでも温暖で雨の少ない大阪平野に位置します。夏に台風の影響を受けやすいものの、冬の降雪量が比較的少ないことから年間通して過ごしやすい気候です。そのため、室内を適温にするためのエネルギーが節約でき、水道・光熱費にかかるコストもおさえやすいでしょう。
参考元:e-Stat 政府統計の総合窓口|家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 品目分類(2020年改定)(総数:金額) 参考元:気象庁|近畿地方の平年の天候
注文住宅にかかる税金
一戸建ての場合、土地と建物に対して固定資産税がかかります。また、市街化区域内の土地と建物には都市計画税が発生することも。詳しく見ていきましょう。
固定資産税
固定資産税とは、土地と建物などの不動産にかかる地方税です。毎年1月1日に、各市町村の固定資産の所有者に対し課税されます。納める額は、毎月4月ごろに届く納税通知書で確認できます。また、以下の式で求められるため、確認してみましょう。
市町村の課税限度額を超える部分の金額(課税標準額)×税率(標準税率1.4%)=税額
※市町村の課税限度額までの金額は、市町村が課税
なお、固定資産税にはさまざまな軽減措置があります。
参考元:大阪府|府が課する固定資産税
都市計画税
都市計画税とは、土地区画整理事業や都市計画事業などに充てる税金です。そのため、建物の所在地が市街化区域にある場合のみ、対象となります。
相場は年間3~5万円。具体的な金額は、以下の式で求められます。課税標準額×税率(0.3%)=都市計画税額
税率は自治体ごとに異なりますが、上限は0.3%です。大阪府で見てみると、43市町村のうち35市町に都市計画税の課税対象区域があります。大阪市では、市内ほぼ全域が市街化区域に該当しますが、市町村のなかでも地区によって異なります。詳しくは自治体に問い合わせてみましょう。
参考元:大阪市|都市計画税参考元:大阪府|固定資産税概要調書の数値(令和5年度)
注文住宅にかかる修繕・メンテナンス費
長く住むうえで、劣化や故障に対する修繕が不可欠です。
一般的な木造住宅の場合、30年間でかかる修繕費用は400~800万円程度。快適な住まいを維持するには、定期的なメンテナンスと計画的な修繕費の積み立てが重要です。ここからは、修繕・メンテナンス費の内訳を紹介していきます。
屋根の修繕
屋根のメンテナンス時期は、築10~15年になります。屋根材や、部分補修か葺き替えかによって費用は異なりますが、50~150万円が相場です。屋根の劣化を放置すると、雨漏りのリスクが高まり、柱や内部の劣化につながりかねません。また、雨樋のつまりや歪みなども放置せず、定期的にメンテナンスを行いましょう。
外壁の修繕
外壁も屋根同様、築10年くらいから老朽化してきます。変色やカビ、ひび割れなどが見られたらメンテナンスのタイミングです。修繕費用の目安は、100~200万円。部分補修か、全面塗り替えかは専門家に確認してもらいましょう。また、メンテナンスフリーの外壁材を選択したり、こまめに掃除したりすることで修繕費の削減が見込めます。
内装・設備の修繕
築10年を過ぎると、徐々に床や壁、水回りなどを修繕するタイミングがやってきます。それぞれのメンテナンス時期と費用の目安をまとめました。
修繕する部位 | 修繕時期 | 修繕費の目安 |
床 | フローリング:状況に応じて 畳:12~25年 | 5~10万円/10㎡ |
壁 | 20年~ | 5~10万円/6帖 |
キッチン | 15~20年 | 100~150万円 |
トイレ(便器交換) | 15~20年 | 30~50万円 |
ユニットバス | 10~15年 | 100~200万円 |
築30年経過したときの内装修繕費の目安は、表で紹介した部位以外も含め、およそ600万円になります。
防蟻費用
住宅がシロアリの被害にあうと、耐震性能を損ない、倒壊のリスクも否定できません。シロアリ被害を防ぐためには、5年ごとに薬剤の散布が必要です。一戸建ての防蟻費用の相場は、13~25万円程度。一度シロアリの被害にあうと、駆除作業をしたうえで防蟻処理行わなければならず、費用がかさんでしまいます。シロアリの侵入を防ぐには、注文住宅の設計時から点検しやすい家づくりを心がけ、防蟻処理を施した木材や断熱材を使うなどの対策を検討しましょう。
注文住宅にかかる保険料
大事なマイホームをさまざまな災害から守るため、保険による備えが欠かせません。注文住宅では、火災保険と地震保険に加入するのが一般的です。
火災保険料
火災保険とは、住宅や家具など家財の損害を補償する保険です。種類によっては火災による被害だけでなく、風災、雪災、水漏れ、盗難などによる損害も補償対象になります。火災保険単独の場合、一戸建ての保険料の目安は年間3~5万円程度です。新築の場合、建物の構造やエリア、補償内容などで保険料が大きく異なるため、複数の保険会社に見積もりをとるのもおすすめです。
地震保険料
注文住宅を建てるときの注意点
注文住宅は、土地探しから間取りや設備、外構に至るまで自由度が高いことが魅力です。一方で、ゼロからのスタートになるため、家づくり初心者にとっては判断が難しい場面も。まずは住宅展示場や住宅見学会へ積極的に足を運んでみましょう。建てたい家のイメージが膨らんだところで、打ち合わせを進めていきます。ここで注意したいのが、こだわる部分に優先順位をつけることです。
入居後にかかる費用のことを考え、ディティールや品質へのこだわり過ぎによる予算オーバーには特に注意しましょう。>>参考コラム:注文住宅のこだわりを予算内で叶えるには?優先順位や失敗事例をご紹介
建てる前に知っておきたい維持費を削減するための対策
注文住宅の維持費をおさえるには、設計段階からの対策が重要です。以下の5つのポイントを意識して、ランニングコストの削減を図りましょう。
1.長持ちする資材や施工方法を選ぶ
2.定期的なメンテナンスと修繕を行う
3.太陽光発電を設置する
4.高断熱高気密の家にする
5.アフターケアが充実した建築会社を選ぶ初期費用をおさえることも大切ですが、後々の維持費を見越して優先順位を決めましょう。例えば、デザインを優先したら耐久性が低く追加工事が必要になった、ということにならないよう注意が必要です。
R+houseネットワークの工務店では、注文住宅の知識が学べる「賢い家づくり勉強会」を開催しています。マイホームを購入し、維持する費用は決して安くありません。建築前に知っておきたい情報や資金計画の立て方などをお伝えします。
>>参考コラム:注文住宅を建てるなら性能が重要!住宅性能の種類からメリットまで解説
大阪府で注文住宅を建てるならR+houseネットワークの工務店へ
今回は、注文住宅に長く快適に住み続けるために必要な維持費について紹介しました。マイホームを建てる際は、初期費用だけでなく維持・管理のしやすさも考えたコスト計画を立てましょう。
R+houseネットワークの工務店では、コストダウンを図りながら、高性能・高耐久な住宅を提案しています。さらに、建築家とデザイン性に富んだ家づくりが可能です。長い年月を快適に過ごしてもらうためのパートナーとして、アフターサポートにも力を入れています。大阪府内で注文住宅をお考えの方は、是非一度R+houseネットワークの工務店へご相談ください。
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