住宅ローンの審査から借入までの基本知識
まずは住宅ローンの審査から借入までのスケジュールを知っておきましょう。
申し込み条件を確認
住宅ローンには多くの種類がありますが、いずれも利用するには各金融機関が提示する条件を満たす必要があります。条件は申し込み時の年齢や団体信用生命保険への加入、最低年収などさまざまです。まずは利用したい金融機関に目星をつけておき、利用条件をチェックしましょう。
審査の流れや期間の目安
住宅ローンには、仮審査と本審査の2回の審査があります。おおまかな流れは下記の通りです。
1. 事前申し込みをして仮審査を受ける
2. 仮審査を通過後、正式に申し込みを行い本審査を受ける
3. 本審査を通過後、住宅ローン契約を結ぶ
4. 契約完了後、住宅の引き渡し日に合わせて融資が実行される
事前申し込み後、仮審査の結果が出るまでに要する時間は、およそ1日~1週間です。正式申し込み後、本審査の結果はおよそ1~2週間、遅くとも1ヶ月で分かります。
申し込み自体は郵送やWEBで簡単に行うことができますが、審査には本人確認書類や収入の公的証明書、物件の契約書など、多岐にわたる書類が必要です。
用意する書類は金融機関によって異なるため、早めに確認して準備しておきましょう。
住宅ローンの審査基準とは
利用したい住宅ローンが決まったら、審査を無事に通過できるか気になるものです。住宅ローンの審査基準について解説します。
住宅ローンの審査基準の調査結果
基本的にどの金融機関でも、住宅ローンの審査基準は明確に公表されていません。しかし住宅支援機構による2022年度の「住宅ローン貸出動向調査」から、融資の際に重要視する審査基準を確認することができます。
調査の結果、もっとも重要視されるのは「返済負担率」。返済負担率とは「毎月返済額÷月収」で求めることができ、30~35%が一般的とされています。
次いで「職種・勤務先・雇用形態」、「借入比率(借入額÷担保価値)」、「借入者の社会属性」の順に重要度が高いという結果に。
あくまでも目安ですが、資金計画の参考にしてみると良いでしょう。
参考元:住宅金融支援機構「2022年度 住宅ローン貸出動向調査」
住宅ローンの審査に落ちることはある?
残念ながら住宅ローン審査に落ちてしまったというケースも見受けられます。審査が通らない理由は以下のような要因があげられます。
・借入時の年齢が高く、完済までの期間が短い、完済時年齢が高い
・住宅ローン以外の借入が多い
・転職や起業をしたばかりで収入が不安定
・持病など健康状態に問題がある
・購入物件の価値が低く、住宅ローンの返済が続けられなくなった際に売却することが難しい
長い期間、返済を行う住宅ローンでは、滞りなく返済できるか、万が一返済不能になった場合は物件が担保になるかがポイントになります。審査を通過するには、安定して返済ができる状況であることを金融機関に伝えることが大切です。
住宅ローンの審査に対策方法はある?
ここからは、住宅ローンの審査を通過しやすくするための具体的な対策方法をご紹介していきます。
返済額のシミュレーションをする
無理のある返済計画では、金融機関からの信用が得にくくなります。住宅ローンの申し込みをする前に、年収に見合った返済負担率をシミュレーションしておきましょう。その結果次第で、借入希望額を低くしたり、夫婦で契約する「ペアローン」を組んだり、必要に応じてさらなる対策を考えることもできます。
住宅ローン以外の借入を増やさない
仮審査を通過しても、本審査で借入状況に相違があった場合、本審査に通らない可能性があります。例えば、仮審査後に家具や家電などの大きな買い物にローンを組んでしまうと、本審査で返済状況の評価が落ちる場合があるのです。新生活に向けて物を買い揃えたくなる気持ちはわかりますが、本審査を通過するまではやめておきましょう。
また、住宅ローンの申し込み前に住宅ローン以外のローンやクレジットカードの分割払いが支払い途中の場合は完済しておくほうが無難です。
住宅ローンの選び方は?
住宅ローンと言っても、さまざまな種類があります。ローンに申し込む際は、商品の特徴や金利を理解しておきましょう。
住宅ローンの金利
借入には、返済の際に支払う金利がつきものです。住宅ローンの金利は大きくわけて3タイプ。それぞれの特徴は以下の通りです。
固定金利
メリット:返済完了まで金利が一定額のため、長期的な資金計画ができる。
デメリット:金利が高いタイミングで借りると、返済額も高くなる。
変動金利
メリット:一般的に、借入時の金利は固定金利より低く設定されている。
デメリット:トータルの返済額が確定できず、また金利の上昇とともに返済額も増加する。
固定金利期間選択型
メリット:ある一定の期間だけ金利・返済額を固定できる。
デメリット:固定金利期間を終えたあとの返済額が確定しない。
住宅ローンの種類
住宅ローンには、以下の表の通り民間融資と公的融資の2種類があります。ローンによって利用条件や融資額の上限は異なるため、必ず事前に確認しておきましょう。状況に応じて、複数の商品を組み合わせることも可能です。
公的融資
・財形住宅融資
財形貯蓄残高の10倍、最大40,000,000円まで借入可能。
・自治体融資
借入限度額に制限はあるものの、金利が比較的有利。自治体によっては融資を行っていない場合も。
民間融資
・フラット35
物件価格の100%、最大80,000,000円まで借入可能。
長期固定金利型だが、利用する金融機関によって金利が異なる。住宅金融支援機構が定める建築条件を満たす必要あり。
・銀行などのローン
銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などが提供するローンで、借入条件や商品の特徴は多種多様。
・生保ローン
各生命保険に加入済みの方が対象のローン。
・JAローン
JA(農業協同組合)の組合員の方が対象のローン。
・ノンバンクローン
クレジット会社や、住宅ローンを専門として融資を行う会社などが提供するローン。
ローン商品は独自のサービスにも注目
住宅ローンを選ぶ際、金利を考慮するのはもちろんですが、ローン商品の各種サービスにも注目してみましょう。いくつかの金融機関を例にあげてご紹介します。
りそな銀行
ZEH住宅などの環境に配慮した住宅を建てた場合、金利が優遇される「りそなSX住宅ローン」の取り扱いがあります。太陽光発電設備を設置した場合、3年間の日照補償が無料でつくなど独自のサービスも。
参考元:りそな銀行「りそなSX住宅ローン」
ソニー銀行
住宅ローンを組む際に加入しておくと安心な団信。ソニー銀行は低金利な点が特徴ですが、住宅ローン金利に0.1%の金利上乗せでがん診断確定時に住宅ローン残高100%の保障がつくプランのほか、金利の上乗せなしでがん診断確定時に住宅ローン残高50%の保障がつくプランなど、団信の種類も豊富です。
参考元:ソニー銀行「住宅ローン」
SBI新生銀行
通常の3タイプの金利パターンに加え、10年後から徐々に金利が下がる「ステップダウン金利」も選べるのが特徴。また借入金額によっては1,100,000円程度する事務手数料が、選択する金利タイプやオプションによって一律で55,000円となるのも強みです。
参考元:SBI新生銀行「住宅ローン」※紹介したローン商品は2023年12月時点のものです。最新情報は各金融機関へお問い合わせください。
住宅ローンの審査は事前準備が大切!資金計画のご相談はR+houseネットワークの工務店へ
住宅ローンの審査には、金融機関の選択から利用条件の確認、書類の準備など時間や手間を要します。また審査に通過するためには、返済能力があることを金融機関に証明することが重要です。あらかじめ資金計画を立てておくことで、審査をスムーズに進められるでしょう。
R+houseネットワークの工務店では、住宅費だけでなく教育費や老後資金も考えたシミュレーションを推奨しています。また、家を建てる際のお金の悩みや疑問を解消する勉強会も随時開催。それぞれの家庭に合った資金計画で、理想の家を手に入れましょう。
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